指の痛み、こわばり、変形
関節リウマチ、乾癬性関節炎、変形性関節症、強皮症、パルボウイルス感染症
- 関節リウマチ
- 最初にリウマチで痛くなる関節で最も多いのが手指になります。なんとリウマチの半分以上の方に手指の痛みが最初に出ています。
そんなリウマチの初期症状の可能性の高い手指の痛みのポイントは、
①爪のすぐ下の関節(指先の一番先端の関節)にはリウマチが出てきません。
②指の中でも、特に人差し指と中指にリウマチは出やすいです。
また手指の関節は小さいので、血液検査をしても炎症反応(CRP)が正常の事が多く、診断には関節エコーが欠かせません。
- 変形性関節症
- リウマチが出てこない爪のすぐ下の関節が痛い、変形してきた時に一番可能性が高いのが変形性関節症になります。これは、加齢や手をたくさん使ったりして、指と指の間の軟骨がすり減ったことが原因で起きてきます。安静や湿布、痛み止めなどの治療になります。
- 乾癬性関節炎
- リウマチが出てこない爪のすぐ下の関節が痛い時は、上記の加齢変化である変形性関節症が多いのですが、見逃してはいけないのが乾癬性関節炎になります。
これはリウマチと同じく免疫細胞が関節で悪さをして関節が痛くなったり変形したりする病気です。また、頭・肘・お尻などにカサカサした赤い湿疹が出たり、爪が黄色くボロボロしてくるなど、関節以外の症状が出ることが特徴です。
変形性関節症では安静や湿布、痛み止めなどの治療しかありませんが、乾癬性関節炎の場合にはリウマチで使うお薬がとても良く効きますので、頭や肘などに湿疹がないかや爪の変化が出ていないかをしっかり診察することが大切になってきます。
- 強皮症
- これも免疫細胞が自分の体を攻撃してしまう膠原病の一つになります。とくに、手指の皮膚が攻撃されてしまい、最初はソーセージのように指全体がパンパンに腫れ、数か月すると腫れがしぼみ皮膚が固くなってくるのが特徴です。最初の指全体がパンパンに腫れているときは、少量のステロイドが良く効きます。その後、腫れがしぼみ皮膚が固くなって時期は指先の血流を改善する治療が大切になってきます。
- パルボウイルス関節炎
- ウイルス感染でも関節が痛くなることをご存知でしょうか?インフルエンザウイルスにかかると関節が痛くなることを思い出していただけると良いかと思います。色んなウイルスが関節痛を起こしてきますが、特に小さいお子さんのいるお母さんに多いのがパルボウイルス関節炎になります。これはお子さんによく流行するリンゴ病と同じウイルスになります。お子さんがかかると熱がでて、頬が赤くなるリンゴ病の症状になりますが、そこからお母さんが感染すると関節痛だけが出てきます。この場合には痛み止めだけで、数週間で自然に治ります。